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虫歯になるまで

虫歯は、細菌感染によって起こります。口の中の虫歯菌は、歯に残った食べかすを餌にして増えていきます。このとき、虫歯菌が酸を出すので、葉の表面が溶かされていきます。これが虫歯の始まりです。

歯の表面は硬いエナメル質でできています。ここに虫歯ができた状態が初期段階でC1と呼ばれる状態です。まだ痛みはありません。

さらに進行すると、エナメル質の下の象牙質まで広がります。ここはエナメル質よりも柔らかいので、虫歯が歯の表面よりも大きく奥まで広がっていきます(C2)。冷たいものや甘いものがしみるようになります。その下は歯髄(神経)が通っています。ここまで虫歯が広がると、激しい痛みが出てきます(C3)。

さらに進むと、歯冠部(歯茎から上の歯の部分)がほとんど溶けて、歯根(歯茎から下の根の部分)だけが残った状態になります(C4)。

虫歯治療について

虫歯の治療は、その進行状態によって変わってきます。浅い初期の段階(C1~C2)では、虫歯に侵された部分を削り取って、そこに人工の歯冠修復物を詰める必要があります。削った部分がごく小さければ、光重合レジンと呼ばれる化合物を詰めます。

もう少し広く噛み合わせの面にできた虫歯の場合は、十字型やヒトデ型に歯を削って、インレーという金属(最近は白いセラミックやレジンで作られたものもある)を詰めます。さらに面積の広い虫歯になると、クラウンといって、キャップ状に歯冠全体を覆う修復物をかぶせます。

しかし、不幸にも虫歯が深く神経まで及んでいったとき(C3)は、神経を抜き取る処置をします。歯冠部分を削り取り、神経が通っていた根っこの、トンネル状(根管)の穴の内面を清掃・拡大します。この根管から病巣の膿を排出し、無菌状態にしてから、ガッタパーチャと呼ばれる充填材に薬をつけて根管内に詰めます。さらにC4まで進んだ場合は、抜歯することになるでしょう。残った歯の根の部分も腐っていますので、周囲の歯茎にも悪影響を及ぼすからです。

残念ながら歯を抜くことになった場合は、その後のケアまで、歯科医と十分に話し合いましょう。抜いたままにしておくと、周りの歯は倒れるようにずれてきて、噛み合わせが悪くなります。また、噛み合う刺激のなくなった骨はどんどん吸収されていきます。